アパレル用の店舗什器としては、相変わらず人気が高いサークルハンガーラックですが、実際に「ディスプレイに変化をつけたい」といった目的でご購入を検討されるお客さまから質問をいただくことがございます。
今回はそんなアパレルショップのオーナー様などの質問にGANZなりに回答してみようと思います。
サークルハンガーラックの魅力をアンティークと比較
サークルハンガーラックについてよくある2つの質問とGANZの考え
- アンティークのものをよく見かけて魅力的だと思いますが、GANZ製と使用感や構造のちがいはありますか?
- 「ディスプレイ」という視点からサークルハンガーラックを使うメリットはどんなことですか?
なんとなく「サークルハンガーラックっていいな~」と思って、いろいろ調べたりしているうちにこのような疑問を持ちはじめて、実際に似たような内容でご質問くださるお客さまがおられます。
いきなりですが、長くなりそうですので、GANZなりの回答を先に簡単にお伝えいたします。
Q:アンティークとGANZ製の使用感や構造の違いについて
A:「違いはあります」
その違いにつきましては、それぞれの特徴をピックアップしまして、実際の使用例の画像を織りまぜてご紹介していこうと思います。
Q:「ディスプレイ」という視点からサークルハンガーラックを使うメリットは
A: 主に「立体的なディスプレイができること」と「お客さまの導線や視線に変化が加わる事」だと思います。
こちらも実際の使用イメージから感じていただける部分が多いと思いますので、コメントを加えながらご紹介させていただければと思います。
少し長くなってしまいますが最後までご覧いただけましたら幸いです。
アンティークのサークルハンガーラックの魅力
サークルハンガーラックと言えば、やはりはじめに「アンティーク」が思い浮かぶ方も多いと思います。まずはじめに、アンティークの魅力についてみなさんと一緒に再確認してみたいと思います。
1800年代後半から1900年代初頭にヨーロッパやアメリカで生産されたものを多く見かけると思いますが、どれも個性的で素敵なものばかりです!
アンティークに目が無い自分も、大好きなアイテムです。
材質も様々で、真鍮、銅、鉄、部分的にキャスト(鋳物)のパーツも使われていたりで、とても手の込んだものが多いのも長く愛されている魅力のひとつだと思います。
100年ちかく使い込まれた経年変化や、当時の生産者の意気込みを感じるデザインは、まさに「アンティークならでは」の魅力だと思います。
これだけ魅力的なアイテムだからこそ世界的な人気が続いていて、程度の良いものが流通しにくくなったり、これによって価格が高騰してしまうといった、当然といえば当然の状況になっているように感じています。
貴重な出会いもアンティークの魅力
アンティークという特性上、「出会い」というのがとても魅力的で貴重であるのは言うまでもございません。
雰囲気、サイズ感、カラーリング、素材など、それぞれに求めるイメージがあるかと思います。これを満たすアイテムに出会ったら、もう「即買い」決定ですよね(笑)
出会えた瞬間の喜び、もの凄くよく分かります。嬉しいですよね~。
そんな貴重な機会を無駄にせず、末永く使っていくためにはちょっと注意しておくといいんじゃないかと思う部分がございます。
貴重な出会いを無駄にしないために確認すること
イメージ通りのアイテムに出会えたら、もう購入以外の選択はありませんが、ちょっとその前にこれから長く使用していく上で重要になってくる「機能的な部分」をかるくチェックだけしておきましょう。
末永くご使用いただき、この貴重な出会いを無駄にしないためには、以下の3点がとくに重要な部分ではないかと思っています。
- サークルリング(円形のハンガーを掛ける部分)のサイズ
- 各・接合部分のガタツキ
- 脚のパーツの痛みやガタツキ
それでは、金属を長年加工してきて修理等の依頼を受ける立場から、この3点をもう少し掘り下げてみたいと思います。
サークルリングのサイズは用途によって変わる
サークルリング(ハンガーを掛ける部分)のサイズ(大きさ)につきましては、実際にディスプレイするアイテムによって変わってくる部分です。メンズの革ジャン(ライダースなど)ですと直径で700ミリ位がひとつの目安になってくるかと思います。
600ミリ程度ですと、肩幅の張るアイテムには少し窮屈な感じがするかもしれません。
レディース用ですとか、ストール・ベルトなどの小物用には小径のものでも問題ないと思いますが、事前にアイテムのサイズと合わせて確認されるのがベストかと思います。
リングのパイプ径は、極端に太くなければ問題ないと思いますが、フックなどの併用や特殊なハンガーを使用されている場合は、用途を明確にしてチェックしてみると良いかもしれません。
接合部分のガタツキを事前にチェック
ガタツキをチェックするポイントはおもに2つです
- サークルリングと支柱または補強の接合部分(回転構造の場合は上下の揺れの程度も)
- 支柱と脚の接合部分
リングの歪みやガタの程度は特に確認してみた方がよろしいかと思います。ハイクオリティなアイテムをディスプレイするのに、お客さまがハンガーを手に取った瞬間に「グラッ」となってビックリしたという話は良く聞きますし、大好きな空間でショッピングを楽しんでいるのに、現実に引き戻してしまってはせっかくの空間演出が台無しになりかねません。
技術的な部分が多くなるので、ここでは詳しいことは割愛させていただきますが、各接合部のガタがある場合は、使用していく上でガタが大きくなることはあっても少なくなることはないかと思いますので、ちょっとした工夫や修理で許容範囲まで修復できるのか、それともプロに修理を依頼するする必要があるのかをチェックしてみてください。(可能な範囲で修理のご相談も受け付けております。お困りでしたらまずはご相談ください)
安定感に大きく影響する脚の構造と摩耗や損傷
脚の部分には装飾的な「鋳物」が使われている場合が多いと思います。特に脚の底面(床に接する部分)の破損や摩耗をチェックしてみてください。キャスタータイプの場合は、車輪が固着して動かなかったり、ガタが大きかったりする場合がございます。ちょっとしたメンテナンスで使用に問題ないレベルになるのか、それとも修理が必要かは事前に把握しておくと良いかもしれません。安定感に大きく影響する部分です。設置場所の床の状態も合わせて、脚の構造と摩耗・損傷をご確認いただけると安心です。
GANZ製サークルハンガーラックを使ったディスプレイ8種
それでは実際にGANZ製のサークルハンガーラックを例に、どんなディスプレイができるのか、アパレルメーカーさんの展示会の様子や、お客さまによる使用例を合わせて8種類ご紹介いたします。
サークルハンガーラック単体での使用イメージですが、アイテムがパッと目に入るディスプレイです。
こちらはフックを利用して、パンツや小物を中心にディスプレイしています。一般的なハンガーラックでは表現しにくいディスプレイになっています。
こちらもフックを用いて、バッグやストールなどの小物を中心にディスプレイしています。
黒皮鉄の重厚な雰囲気で、空間全体を引き締める要素があって、バイクとの相性も最高にいい感じです。
ウッディな空間では高級感のある演出ができていると思いますが、いかがでしょうか?
メンズの革ジャンをパンパンにディスプレイしています。かなり重厚な印象で、男心をくすぐるディスプレイです。サークルハンガーラックの強度は、「革ジャン・パンパン」でも全く問題ないように製作しています。
什器の機能をアップする「フック」を活用したディスプレイ
S字のフックを活用して、ベルトをディスプレイをしています。黒皮鉄のサークルハンガーラックは、レザーとの相性もよく、ベルトも雰囲気良くディスプレイされています。
こちらもS字フックを使用して、バッグやパンツをディスプレイしています。ベルトループを活用して「たたみ」では難しいディティールのアピールができますね。フックを活用することで什器としての機能がグッとアップしたかのようにディスプレイの幅が広がります。
GANZ製サークルハンガーラックの詳細とサイズオーダー
アンティーク好きなお客さまの声を聞きながら、GANZの世界観で製作したシンプルで機能的なサークルハンガーラックの詳細をご紹介させていただきます。
黒皮鉄の重厚感を生かして、細部のディティールを追求しながら無駄なものを排除したシンプルなハンガーラックに仕上げています。
サークルリングの高さは、床から1500ミリを標準に設定しています。ご希望の高さでのサイズオーダーも可能です。
サークルリングは、メンズのヘヴィなアウターにもしっかり対応できる直径700ミリサイズを標準としています。
こちらのタイプはよりシンプルな構造にするため、リングはしっかりと固定された構造です。一般的に回転した方が便利に思われがちですが、固定タイプには「ガッチリとした安定感」のほかにも「お客さまの導線に動きが生まれて視線が変化する」というメリットもございます。
ディスプレイの方向性や、使用環境などに応じたお好みのリングサイズでの製作にももちろん対応いたしております。
サークルリングと支柱を繋ぐ補強部分は、プレス加工を加えたシャープなデザインに加えて、全てを「溶接構造」とすることで十分な強度を実現しています。
このように、革ジャン・パンパンのディスプレイでも全く問題ございません。
支柱のトップの装飾は、鉄の塊を旋盤にて丁寧に削り出して製作しています。
補強のプレスは専用の金型を用いて加工し、15年以上のキャリアをもつ熟練の職人が溶接して組み上げています。
脚部はシンプルな構造でありながら、安定感を確保するサイズ感と、4点にアジャスター構造を組み込みむことで、コンクリート(モルタル)や古材のウッドフロアなど凸凹した床面にも安定して設置することが可能です。
ハイクオリティなアイテムをディスプレイする什器であるために、「各部の細かい仕上げと安定感」には特に重点を置いて設計しています。
サークルハンガーラックの魅力をアップするメッシュ棚オプション
サークルハンガーラックの魅力を最大限にアップすることができるよう、上部のメッシュ棚のオプションもご用意しています。
メッシュ棚を追加して新たなディスプレイに挑戦
メッシュ棚のオプションの使用例です。小物アイテムのディスプレイはもちろんですが、世界観に合ったイメージグッズをディスプレイして空間演出をしたり、ヴィンテージのスタンドランプなどを置いてライトアップするといった演出も可能ですので、メッシュ棚を追加した新たなディスプレイに挑戦してみてください。
工具不要のスマートな設計で手軽に脱着
メッシュ棚は、サークルリングの4本の補強部分に載せていただくだけで、工具不要で手軽に脱着できるスマートな構造に設計しています。
自重でしっかり固定できるように設計しておりますので、使用中にズレてしまうような心配はございません。
【サークルハンガー用オプション】メッシュ棚の仕様詳細
それではサークルハンガーラックのオプションのメッシュ棚につきまして、詳細をご紹介いたします。
サークルハンガーラックのシンプルな構造を邪魔しない機能的なデザインです。
光を通すメッシュ構造のメリットを生かして、サークルリングよりも少しおきいサイズで、ディスプレイボリュームと全体のイメージバランスを整えています。
ご希望のサイズでの製作も可能ですのでご相談ください。
黒皮鉄の表情豊かな雰囲気と、メッシュの相性は抜群です。
さて、ここまで長々と「アンティーク」と「GANZオリジナル」のそれぞれのサークルハンガーラックの個性をご紹介させていただきました。
それぞれを比較するというよりも、それぞれの個性をみなさまがどう感じて、どう選ばれるか、そのヒントになるような内容であってくれたら嬉しく思います。
長年にわたりたくさんの方々に愛されている「サークルハンガーラック」には、まだまだ隠れた可能性があると思っております。
また何か参考になる使用イメージなどありましたらご紹介させていただきたいと思います。最後までご覧いただきありがとうございました。
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